「TELEGRAPH AGENT」及び「HyperPilot」が
DNV ASから型式承認を取得
~最適な船速制御による船舶の自動運航実現へ~
2024.09.05
ナブテスコ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:木村和正)の舶用カンパニー及び連結子会社Deep Sea Technologies社は、「TELEGRAPH AGENT™(テレグラフ エージェント)」及び「HyperPilot™(ハイパーパイロット)」の両新製品において、世界有数の船級協会であるノルウェーの「DNV AS」から型式承認を取得しました。
現在、船舶の船速制御は、船員が主機遠隔操縦装置のハンドル手動操作によってメインエンジンの回転数を調整し、運航計画に合わせて船速を制御することが一般的です。しかしながら、手動操作では、天候(風向き・潮流)などの外部要因により計画船速を守れず船舶の到着時間や燃料量が変動する要因となるほか、頻繁に最適船速を保つためのハンドル操作が要求されるため、船員の業務負担になっています。
我々の提供するシステムは、2023年に買収したDeep Sea Technologies社と当社が共同開発した初のコラボレーションシステムです。Deep Sea社の主力ソフトウェアである「最適運航支援サービス(Pythia)」の最適航路・船速計画を「HyperPilot」が受信し、船舶の現在位置に基づく指令船速を当社の「Telegraph Agent」に出力することで、船速計画に追従するエンジンの回転数をリアルタイムに自動調整することが可能となりました。
今回の型式承認取得により、当社グループは、最適船速での自動運航を可能とする船舶ソリューションの提供を拡大し、船員の労務軽減や低燃費の実現、GHG排出量の削減に貢献してまいります。
以上
「Pythia」と「Telegraph Agent」によるコラボレーションシステムの仕組み
■ナブテスコ株式会社について
2003 年に帝人製機株式会社と株式会社ナブコの統合により誕生。独創的なモーションコントロール技術で、生産現場の自動化や陸海空の安全・安心・快適な移動を支える機械コンポーネントメーカー。
1950 年から舶用機器事業を開始し、主力製品である舶用エンジンの遠隔制御システムでは国内シェア約50%、世界シェア約40%を有する。この他に補助推進器制御装置や、電子制御ガバナシステム、電子制御エンジン向けに電子制御油圧バルブなどを提供している。生産拠点の兵庫県神戸市、韓国:釜山市、中国:上海市に加え、シンガポール・オランダにサービス拠点を持つ。
2023年に世界最先端のAI技術を有するギリシャのスタートアップ企業「Deep Sea Technologies」を買収、同社の「船舶の状態監視(Cassandra」および「船舶最適航路選定(Pythia)」の船舶向けソリューションサービスと舶用エンジン制御システムを組み合わせることで、海運業界のDX化に貢献。
(ナブテスコ コーポレートWEBサイト)